テキサスのカーボーイことクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)が見つけた自分の居場所は戦火のイラクだった。
カイルは抜群の射撃のセンスを生かして伝説と呼ばれるスナイパーになっていく。しかし、同時に彼の心の中にも闇が徐々に広がっていく。
ディアハンターのように戦争で負った心の傷が画面から溢れ出して観客に強く訴えかけるようなことはない。
また、クリスが奪う命の尊さ、悲惨さも淡々と描かれる。
不思議な映画だ。
日常と境目のなく続く戦争。
命が奪われなくとも心は何かに奪われていく。
静かに語られ、静かに終わる。
カーボーイは宿敵を倒し心穏やかに日常、戦争から姿を消すことができたのだろうか?