Taketo

アメリカン・スナイパーのTaketoのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
3.6
実在したアメリカ軍の狙撃手であるクリスカイルの物語。僕は彼の事を全く知らずに映画を見たので最後の展開には少し驚いた。この映画の舞台のイラク(実際の撮影はモロッコ)での戦闘によって少しずつ心境が変化していくクリスカイルの心境か描かれている。だから戦争と言う物が良いとか悪いではなく戦争と言う物が兵士に及ぼす影響という物をただシンプルに描いていると思った。
 クリスカイルは幼い頃から父親に猟銃を教わり弱い羊達を狼から守る番犬になれと言われその通りに成長し理想的なアメリカの愛国者となる。そしてこのクリスのライバル的なキャラクター、ムスタファが出てくる。彼はクリスと同じように凄腕のスナイパーであるが元はオリンピックの射的代表選手でありクリスと同じように家族もいる。こんなにも似た存在であれば友達になってもおかしくないが戦争と言う運命は二人を敵対させる。だからクリスがムスタファを射殺に成功するシーンはクリスもムスタファも同じ構図で同じ方向を向いているんだと思った。本来敵対する関係を演出する為にお互いが向き合った形になるようにカット割りをするけれどあの瞬間だけは違った。
 ムスタファという存在は英雄と言われたクリスと限りなく同じ存在だが彼は決して英雄とは言われない。戦争には英雄なんていないんだと思った。
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