まりりんクイン

テロ、ライブのまりりんクインのレビュー・感想・評価

テロ、ライブ(2013年製作の映画)
4.0
ラジオパーソナリティの主人公の元に「自分は橋に爆弾を仕掛けたテロリストだ」という男から電話が。
主人公は元々その局でテレビのニュースキャスターをしていた人気アナウンサーでしたが、先日あるミスをしてラジオ局に左遷されたばかり。
このテロリストとの交渉の模様を独占放送することで、キャリア復帰を目論みます。
映画が終わる98分後、最後に笑っているのは誰か?




息もつかせぬとは正にこのこと。
100分弱の間、全編ほぼラジオブースの中だけでリアルタイムに話が進行して行きます。
ラジオブースの中のパーソナリティが電話で犯人と話すだけという、全く動きのない設定にも関わらず、次の展開が一昨予想出来ない緊張感が最後の最後まで続くのは本当に見事です。
とにかく主演のハジョンウが素晴らしい、彼が出てる韓国映画はまずハズレなしと思って良いでしょう。

98分という時間で、これだけコンパクトにエンタメとして盛り上げつつ、最後には報道の在り方や、政権について考えさせられてしまう皮肉の効いたオチまで付いて、観客が韓国映画に求める要素がまるっときっちり味わえる、満腹韓国料理コースが1980円と言った感じです。

監督のキムビョンウさんは、本作が初監督だそうですが、次回作が非常に楽しみです。
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