復活のよにだ

宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟の復活のよにだのレビュー・感想・評価

4.0
宇宙戦艦ヤマト2199シリーズの完全新作劇場アニメ。

時系列では、イスカンダルから地球への帰還〜デスラー総統襲来間の24〜25話のお話。

なので冒頭はかなり平和で和気あいあいとしたヤマト艦内の様子が描かれ、その後のメインのストーリーも戦闘や冒険ではない少し不思議な内容となるので、好き嫌いがかなり別れそうな作品ではある。


わたしは2199シリーズで全てのキャラに愛着が湧き、古代進も主人公として大好きになっていたので、日常パート的なシーンが見られたのは嬉しかった。
(ヤマトにこういうオタク的な感情を抱くなんて不思議な気分だ。)


そして今作の大きなテーマである
「昨日の敵は今日の友になり得るのか?」
という問題も単発映画として上手く落とし込んでいたように思う。

リメイクは旧作と違う点に
・ヤマトがガミラス本星を破壊しない
・波動砲を使わないと約束する
という大きな部分がある。
どちらも「愛し合うべきだった」という旧作への応えであり、「生まれる星が違っても理解し合える」という古代守の意志を継ぐ古代進の信念を軸にしているからこその変更点のように感じた。

だからこそ、2199シリーズでこのテーマの劇場版が作られるのは自然な流れでもあり、見ているファンもうれしい。


展開的にも、ピックアップメンバーに別行動をさせて異空間での出来事としてストーリーを進める事によって、SF作品によくある「何がどうなっているのかわからない」という問題が無くなり、抽象的な表現を使っているにも関わらずわかりやすかった。

最終的には神話的な規模に話が大きくなるが、「飛躍しすぎ!」と思わなかったのは、長年のシリーズを積み上げてきた作品の強みを活かせているなぁと。


個人的には終盤の戦闘シーンで、本編では艦長代理にならなかった古代が作戦を指揮し、本編よりも迫力があってダイナミックな戦法を成功させる場面にめちゃめちゃ興奮したので、中盤の少しダレるシーンは帳消しになりましたよ。
あのシーンかっこよすぎる。
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