「母がよく言ってた、
人は時々、間違えた電車でも
正しい場所に着く」
「お母さんが？
君は孤児だろ?」
「そうですよ
でも“母が…”と言うと」
みんな真剣に聞いてくれる
インドもお弁当の国なんですね
知らなかったです
それも、大量のお弁当を配達する
そんなお仕事があるという事も…
それも間違えずに配達するなんて
どんな仕組みなのか知りたくなりました
配達のおじさん達も
電車の中で楽しそうに歌う
インド映画なのに踊らなかった
男と女の大人な映画でした
間違った所へ配達されたお弁当
受け取ったのは退職間近のおじさん
夫婦関係を立て直すため
愛情を確かめようとお弁当を作る若妻
しかしお弁当は夫へと渡されていないことに
気付いて手紙をお弁当に潜ませる
そこから始まる手紙のやり取り
「今日は塩辛かった」その一言に
アパートのひとつ上に住む
おばさんの助言を受け
(このおばさんは最後まで声の出演でした)
次の日のお弁当はスパイスを効かせ
辛くしてやった!
…なんて微笑ましいやり取り
お互いの境遇を知り
少しづつ惹かれ合う
「ブータンへ行きたい」
彼女の想いに応えたい男
間違った電車でも
正しい場所に着くかしら…?
複雑な思いを胸に
アパートの窓から外を眺める女と
電車の窓から風に吹かれて
彼女を想う男と
その後は多くを語られる事は無かった
この映画を見た人、それぞれの経験値が
このラストを彩ってゆくのかも知れない
