しりたん

キョンシー/リゴル・モルティス 死後硬直のしりたんのレビュー・感想・評価

3.0
原題:RIGOR MORTIS

タイトル見た時は”地雷か?!”なんて思ったがそんなことはなかったキョンシーのリブート物。あの飛び跳ねるキョンシーが出てきます。が・・・、観終わってから思い返してみるとほとんどが空中浮遊だったような・・・。
後半は飛び跳ねるどころか、ヤモリみたいな動きに変化していた。
まあ、色々事情があってヤモリ風になったのですが。

今作は現代にキョンシーを上手く反映させてる。
冒頭に流れるスローモーな歌は『霊幻道士』好きにはたまらないニヤリな演出。
私はキョンシーが登場し、退治する流れなんだろう。
っと、これしか思い描いていなかった。
まあ、間違ってはいないんですけどw

主役は『霊幻道士』にも出演していたチン・シウホウ。
ラム・チェンイン演じる道士カウの弟子の1人、サンコーを演じていた人です。
本人の名前がそのまま今作に使われていて、この映画ではチン・シウホウは『霊幻道士』以降仕事がなく、落ちぶれてしまい、舞台となるアパートに来る。
そこで首吊りをするのだが、その部屋は昔殺人事件があった部屋だった。
死を迎えるチン・シウホウに幽霊が乗り移りだす。
気配を感じて現れたのは、その昔 父が道士だったヤウ。

このヤウを演じるのは『霊幻道士』でカウの弟子、キョンシー隊を導いていた道長のアンソニー・チェン。『霊幻道士』では冒頭と終盤に登場。
ゴミの『霊幻道士4』では主役を務めている。
今作での格好が、バスローブなのだろうか?そんな感じの物を着ているが前は開けっ放し。白のシャツ、短パン、サンダルとだらしない格好しているが、なぜかかっこいいw

同じアパートに住んでいて、不適な笑みを見せる老人ガウ。
この人は『霊幻道士2』で墓荒らししていた教授役のチャン・ファット?チュン・ファット?どっちかは不明。
アパートの住民で、後にキョンシーとなる老人はリチャード・ン。この人は『霊幻道士3』で道士マオを演じていた人。

キャストをあさっていたらたまたま見つけた人がいる。
それは、アパート内で おこわ屋を営んでいる男。
役名も”コック”になっているので重要人物ではないのだが、
この人は『霊幻道士』で嫌な保安隊隊長、『霊幻道士3』で道士の弟子を演じていたビリー・ラウ。

ここまでキャストをそろえているのが素晴らしい!!
さらにチン・シウホウが今現在の自分になった経緯を語るシーンでは『霊幻道士』のキャスト+製作スタッフだろうか?その集合写真などが見れる。
これにはおどろきました。当時のラム・チェンイン、リッキー・ホイがしっかり写っている。
この映像が出てきたとき、思わず「おおおっ!」っと声をあげてしまい(1人で)、一時停止して見てしまった自分がいる。

これだけでお腹いっぱいです。
ワンシーンだけですが、息を止めてキョンシーをやり過ごす
シーンもあり、ドキドキ。なので飛び跳ねないキョンシー出てきてもイイかな!なんて思ってしまう。
キョンシーが天井を這っている鉄パイプを簡単に引っこ抜き、そのままターゲットに目掛けて飛ばしてくる辺りキョンシーではない様な・・・w 
今作のキョンシーは噛まれても感染しない。これもキョンシーではない感があるのだが・・・。

終盤の流れも今一分からず「?」になる。死体油ってなんぞ?
ヤウが使っていた円盤は一体なんだろうか?締めくくりも何だろうか??ヤウが おこわ屋で”キョンシーには もち米が利く。道士いらずになってからもち米を持て余した”っと話しているシーンがある。なのでヤウが おこわ作りが上手いのは納得いく。しかも美味しそうで食べたくなった。が、肝心のキョンシー戦ではもち米なんぞ使わない。おこわ作りすぎて使い果たしたのだろうか・・・?

キョンシー物では『霊幻道士』を超えるかっこよさがないと私は思う。今作は少しだが『霊幻道士』で感じられる道士のかっこよさを感じられたのがうれしい。
最後でぶっこわしてる感があるが、”この作品をラム・チェンイン、リッキー・ホイに捧げる”と出てきたので赦してしまう!
思い入れがないとつまらない物になるかもしれないが、懐かしさと供に観るのもいいかもしれない。
しりたん

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