ランボーでありたい

ゾンビ・リミットのランボーでありたいのネタバレレビュー・内容・結末

ゾンビ・リミット(2013年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

2014年のシッチェス映画祭に出品された変則ゾンビ映画

まず派手にゾンビをぶっ倒す系の映画ではないので注意。というかホラーなのかも微妙。ここまでゾンビ出さないとはびっくり。ヒューマンドラマの背景としてゾンビを配しているという感じ。ドラマ9に対してゾンビ1な割合。
この映画のキーとなるのが”リターンド”と呼ばれる人達。ゾンビウィルスのパンデミックはすでに起こったあとの出来事で、この人らは過去に一度感染ている。じゃあウガウガのゾンビかというとそうではなく見た目はいたって普通の人間。薬によって凶暴化は防げている半治療の状態で一日一本の注射が必須。注射をしないと1日でゾンビ化、登録カードのようなものを配布されしっかり管理され苦しい生活をしいられているみたい。主人公の恋人もこの”リターンド”。周囲にバレないように細々と暮らしている。
過去に注射をおこたった”リターンド”が再ゾンビ化し人を襲ったりしたもんだから反リターンドの集団が『アイツら根本はゾンビだから危険だー!!』と抗議のデモしてたり、過激派が問題起こしてたりなかなか大変な状況。そんな中、薬の在庫が底をつくのではという噂が流れ始めてさあ大変・・。

劇中の話にも出てくるが、『絶対に自分だけは死なないと思ってた男が明日死ぬとわかったら殺人すら犯す状態になる』ってのが軸となるお話。『薬もまだあるししばらくは大丈夫かなー』なんてのほほんと暮らしていたら突然ピンチ!
切迫した状況に主人公たちはどうするのか?混沌とした中で人はどのような決断をするかってのがなかなかおもしろかった。
子供のために略奪してまで注射の薬が欲しい父親だったり、妻を助けたいために何十年来の親友を裏切る男だったりのなんとも人間くさいドロドロ話は大好物です。
終盤の展開もバカバカしくも笑って見れたから良し。

ぶっちゃけゾンビを別の事案に置き換えても成り立つお話。医療パニックものの映画でこんな話あったような・・。
物語は静かに進行していくのでゾンビ映画としてみると食い足りなく感じてしまうかも。でも決してつまらなくはないです。

不思議なジャンプカットがあったりなんか話が繋がってないような部分があったのはいろいろシーンをカットしたのだろうか?なんだか違和感のある編集だったなあ。

*9・11テロ後の北米で実際にあったようなイスラム、アラブ系住民への人種的迫害であったり、エイズ患者への偏見であったりの差別の象徴として”リターンド”の設定を考えたんでしょうね。
どーでもいいですが主人公の女性のデブへのDisが冷酷でなかなか良かったです。この女優さんエマ・ストーンとミシェル・モナハン足して2で割ったような顔してますね。なかなか気が強そうでいい顔です。