がく

ブラック・スキャンダルのがくのレビュー・感想・評価

ブラック・スキャンダル(2015年製作の映画)
4.5
試写会にて。
黒く、重い映画。
実話を記録したドラマとしては迫力と緊迫感を備えた一級品。

本当に黒くて重いので、予告編を見て娯楽作を期待して観るとスコアが低くなるかも。
ベネディクトカンバーバッジは主要キャストではあるけど出番は少ないよ。主演は二人。

社会を騒がせた実話を、登場人物が未だ存命中に、豪華キャストにより後世に残したことが評価出来る。本人たちへのインタビューは意図的にも意図せずとも実現しなかったようだが、インタビューを試みたことがリアリティーを増している。

ジョニーデップが久々に良かった。
家族への愛、愛を失ってからの行動、冷たい眼、非情な行動、薄い白髪、汚れた前歯。

ジョエルエドガートンはエクソダスでも効いてたけど、今回はかなり効きまくっていた。ジョニデに引けを取らない迫力と人間味溢れる演技。

人道を外れていようが、信念を貫いて、この世界で駆け上り、落ちて行く人間模様は壮絶。皆、一度は地位を築くほどの人間力を持ち合わせていたからこその奥深さ。

舞台のボストンは、社会への影響力の高い人材を輩出するハーバード大などがあるが、本事件のような悪事にもメソッドが図らずも活かされてそうで恐い。何が彼らを悪に染めたのか、深く社会を考えるきっかけになる映画でもある。

途中から登場する検事の熱演も良かったな。

政治家の介在は、情報不足か、証拠不足により意見が分かれる為かほとんど描かれていなかった。ベネディクトの演技は流石。

というか予告編の出来が良過ぎ!かなり多くの人が観たくなるように出来てる。期待していたのに本編で使われていなかった楽曲「Till It's gone」がかっこ良い。
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