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悪童日記のtのネタバレレビュー・内容・結末

悪童日記(2013年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作読了済。

双子の行動原理等々、原作の大変分かりづらいところを改変してあるため、かなり見やすい。しかし話が単純になったからといって、原作の魅力である不気味さがなくなったかと言うとそうではなく、しっかりと二人の姿が可視化されている分、新たな不気味さに代わって良い味を出している。
肝がしっかりと押さえてあった。「二人が引き離されるのが一番こたえる。死ぬほど辛い」という言葉が印象に残る。双子は曖昧な表現の一切を排除し、ありのままの事実だけを日記に書いたが、お互いの校閲も通ったのは、この二人にとってこれがこの時のありのままの事実だったからだろう。
原作では確か校閲が必ずあったはず。
原作の日記では描写されなかった二人の最後の別れのためらいが切なかった。同じ温度の未練を残しながら、最後は振り向きもせず別離の道を歩む美しいラストに鳥肌。
原作同様無駄が無く、雰囲気をそのまま残している。見事。
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