このレビューはネタバレを含みます
すごく東欧「らしい」映画だったと思う。東欧の戦争の爪痕は今なお、深い。東欧独特の殺風景で圧倒的な冬の景色が、映画の陰鬱なストーリーを強調している。
正しいといえることは、ただ、自分を生かすということだけ。
道徳も、親切も、動乱の世の中では役に立たない。親切だから、品行方正だから、そんな理由で人は生きられない。この映画でも、そうだ。
主人公は、どこまでもストイックで純粋だった。彼らは、正しいと思うことしかしていない。最初は人を助けることが、強くなることが、悪人に復讐することが、そして最後には誰を犠牲にしてでも自分が生きることが、彼らにとっては正しいことだったんじゃないか。