おれさま

メビウスのおれさまのレビュー・感想・評価

メビウス(2013年製作の映画)
3.5
"人間の業が、廻る"
キャッチコピーより。

※最後、ある概念を見出してしまいました。
ええ、わたくし、オレ・ギドクですね。

性に言葉はいらないんですね。
全編一切のセリフを排除した怪作。
キム・ギドク監督は他作品も含めて、母性や女性に底知れぬ歪んだ感情があるのかなと。男性の象徴に対しても。

ポスターにある、"切り取られた息子"。いやほんと色んな意味でまさに。この映画の意味をまず捉えるのが無理難題。何をどう言えば。
上映制限の中、かなりのシーンをカットして劇場公開に漕ぎ着けたとか。日本公開でもある程度の厳しさから更にカットもしたようで。監督の法律に対する清々しさ。あっぱれ。まあでも未成年が乳房に触れるという児童ポルノ抵触待ったなしはさすがに厳しい。

今作は興味あれば手に取ればいい、それだけのこと。勧めるとかじゃなく、皆様の目で、判断していただければ。

性の歪んだ表現が秀逸。
海外の文献を文字のみで、しかも英語そして翻訳なく表すこともなるほど納得。映画にとって翻訳の文字ですら排除したかったのでしょう。
"a whole body is genital"いつもならしっかり調べるほどに映画を楽しむ性分ですが、訳わからないし自分には一生必要のないものと割り切ったのでもう知りません。トラックに踏み握り捏ね轢きちぎり潰される息子も。やめてください、息子で遊ばないでください、痛い。

キム・ギドク監督のインタビューより、
すべての人間はペニスを介してどこまでも一つの線で繋がっている、巨視的に捉えれば、いわば鍵。タイトルのメビウスはそこから付けられた、そうです。

冒頭の件ですが…
要するに、鍵っ子を訳すと、息子っ子。
ほんとしょうもなくてごめんなさい。
もう謝ることしかできません。
阿部定事件も息子を持ち歩いたということを考えると、繋がるじゃないですか、鍵=息子。凄い。わたくし概念を超えた何かを見出しました。いやもうやっぱりごめんなさい。鍵穴とはそう言うこととかこれ以上鍵の話はダメ。怒られて朽ち果てろ、おれ。

ちなみに、キム・ギドクのベッドシーン強要問題がありましたが、今作の母親役降板の女性とのお話だったそうで。もうキム・ギドク怖い。
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