激物。
パンドラの箱とやらがこの世にあるのなら、きっと中にはこんな映画入っているのでしょう。
これまで観てきた映画の中でも五本の指に入るくらいイカれた映画。
けしからん。非常にけしからん。とんだ畜生映画だこれは。こんなもん作れるやつは頭の壊れたド変態野郎だ。
…ただこういうの嫌いじゃない。
意外と好きかも。癖になるヤバさがある。
長いこと映画ライフを送ってきたけど、まだこんな新境地があったなんてなぁ…
映画ってステキ。
まず、セリフ一切無しなのキモすぎる(褒)
「ウワーッ!!」とか「グゥーーッッッ!」とか人間が90分弱喚き声と唸り声だけしか発さないの、観てるだけで頭おかしくなる。
でも、それだけで映画を成り足せられる映像運びの巧さと退屈しないストーリー展開の作り方の巧みさはシンプルに目を瞠るものがある(感心)。台詞がなくなった分普段より映像に注意がいくようになっていたと様に思う。目を覆いたくなるような残虐描写と性描写に意識を全振りさせる演出の一つとして「台詞なし縛り」を実行したのは英断だったのかも。
ストーリーは言わずもがな変態過ぎる(褒)
終わることのない負の連鎖、痛みの共鳴。自家中毒的にグルグルと負の感情が充満し、そのループから抜け出せなかった家族の悲劇。
と言えば崇高な映画にきこえるかもしれないが、言葉を選ばず、もっと具体的にこの映画を説明しようすると、
要するに「気の狂った母ちゃんにち◯こを切られた息子が、玉無しが原因で同級生からのイジメにあい、そのイジメを止めるために父ちゃんからち◯こを譲り受け、めでたくカムバックち◯こを果たして駄菓子屋の姉ちゃんと念願の一発をカマして事は全て順調に進んだかと思われたが、父ちゃんから譲り受けたブツが母ちゃんに反応してしまい、窮地に立たされた玉無し父ちゃんがハンカチ噛んで暴発してしまい家庭崩壊する」話だ。
…何を書いてんだ僕は。あらためて誠にけしからん映画だ。でもこういう映画だ。信じられないよな。
「こんな映画を作ってしまって、果たして観客に受け止めきれるだろうか?」とか微塵も考えてないのがヒシヒシと伝わってくるのが良い。ただただ「やりきった感」「行くとこまで行き切った感」だけがあってそれが謎に気持ちいい。爽やかささえ感じる、爽やかのさの字もない映画なのに。割と韓国映画にあるあるな現象かもしれないけど、「オールドボーイ」とか「息もできない」とかその辺の映画には、マジ胸糞なのに妙なカタルシスがあって癖になる。
今回もそう結構好き。でも人には絶対薦めないな。