是枝裕和監督作品。
ひょんなことから三姉妹に妹が加わり四姉妹で生活する物語。
阿修羅のごとくもそうだけれど、日常の姿や会話がリアリティ迫り、姉妹の中に自分が加わっているかのような感覚になる。
それ、あれよ、こそあど言葉で通じ合う家族間の会話。
個人的には次女のヨッちゃんのキャラが自分に正直で真っ直ぐなところが好きだけど、法事の後、帰ったら真っ先にストッキング脱ぎたくなるよね。
腹違いのすずちゃん、中学生でひとりぼっちになるのは切ない、この姉妹に入れてもらえてよかったよ。
ストーリーもよかったけれど、鎌倉の景色や古い民家、今時ではないスタイルの法事に、海街ならではの生活、全てが丁寧に描かれていて、見ていて清々しい。
家庭を捨てた父親を長女の幸は別としてみなさほど恨んでいる訳でもなく、姉妹それぞれの事情を抱えていながらも仲良く暮らし今を精一杯生きている。
同性のきょうだいが欲しかった身としてはなんだか楽しそうで羨ましい。
学校の友達、行きつけの店、取り巻く人間関係や距離が心地よい。
脇役も素晴らしく、是枝作品常連の樹木希林、リリー・フランキー、加瀬亮、それに大竹しのぶに風吹ジュン、鈴木亮平まで豪華なのも見どころ。
リビングではなく卓袱台、ユニットバスではなくタイルのお風呂に、湯沸かし器のお台所、全てが愛おしく感じる日常。
切通しの多い鎌倉で桜のトンネル、海に山に囲まれた古い街、梅酒作ってみようかな、江の島でシラス丼食べたいな、映画を通じて五感も刺激される!素敵な作品です。