雄貴AUE

海街diaryの雄貴AUEのレビュー・感想・評価

海街diary(2015年製作の映画)
4.3
どんな人も皆、“居場所”を探したり、見つけたり、失ったりしながら“生きていく”ものなのかもしれません。


洋画より邦画派を自称する僕ですが、近頃の邦画でピカイチに良かったです。

きっとこの話はあらすじで表したら3行で終わります。
冒頭、3姉妹のもとにすずがやってきて以降は、まあ特にこれといって何も起こらない。そこにあるのは、4人とその周りの人々の、普通の日常。
毎日似たような、でも少しずつ違って、少しずつ自分の体の向きを変えながら、少しずつ周りと馴染ませながら、少しずつ変化する、普通の日常。

というわけで個人的にこの映画の真髄は、そんな“人が生活していく”という行為の描写にこそあると思います。
特に僕が大好きなのは、ご飯を食べるシーン。朝ごはん、昼ごはん、夜ご飯、おやつのおはぎやアイス。みんなで食卓を囲み、もりもりと飯を食らう。何はともあれ人が毎日生きるということは、飯を食うということなのだ!

他にも、幸のすぐ『アレ』っていう口癖(お母さん似)とか、佳乃の家を出るときの「あれ、財布ない!あ、あった。」っていう台詞とか。そういうどーーでもいいひと場面毎に、彼女たちのひとりひとりの温度を感じるようで、愛しささえ覚えました。

そしてもちろん、豪華な役者陣の演技力がなければ、こんなに良い映画にはなっていないでしょう。キャストが『豪華』なだけでなく『実力派』がしっかりと(ていうか全員)揃っている邦画って最近ほんっっっっっとにないので、そういう意味でも貴重な映画ですね。
特に3姉妹の自然体の素晴らしさと、それに勝るとも劣らない広瀬すずの演技力。最高でした。

はあ。縁側のある家に住みたい。
雄貴AUE

雄貴AUE