ねぎおSTOPWAR

海街diaryのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

海街diary(2015年製作の映画)
5.0
是枝監督作品を観るのはデビュー作「幻の光」以来。長回しが凄くて!その後をちょっと遠慮していましたが、もっと早くいろいろ観れば良かった。

そもそも画角は素晴らしく美しい。「幻の光」からそうです。そしてかつてはじーーっっと撮ったのが、おそらくはレールで微妙に角度を変えて撮っている。これいいと思います!新しい景色が見えてくるのがなんとも!ステディカムやたぶん特殊な車に載せたクレーンなども使いこなして、眠くなりません!

海花火を見る船の俯瞰映像、風吹ジュンさんが言うとおりの「海に映る花火は・・」はとても美しい。(おそらく本物は撮影出来ず、間接的な表現にせざるを得なかったんでしょうね。銀行の屋上は合成かな)
その後の姉妹だけの庭の花火もまた美しい。
大竹しのぶさんと歩く紫陽花の道も鎌倉らしい素敵な絵でした。


さてさて、
長女が綾瀬はるか、次女が長澤まさみ、三女に夏帆、四女が広瀬すず。こんな姉妹が独身ってとこがドラマ。
綾瀬はるかは2015年時点でこんなにいいお芝居が出来ていたのか!じゃあ何故「本能寺ホテル」みたいなことになったのか?

また、姉妹が部屋入る時、口で「トントン」って言うのはなんとも可愛いルールです。

この映画の中で、多くの人が死を迎えます。残る人間のしがらみも描かれています。生々しいいやらしさま含めて、波の音と、梅の木、変わらずに走る電車、紫陽花や雨がやさしーく包み込んでいます。人間が抗おうとしても無理。とてもおおらかな時間の流れが描かれた映画です。
これぞ日本映画の生きる道なのかもしれませんね。