かささた

虐殺器官のかささたのレビュー・感想・評価

虐殺器官(2015年製作の映画)
2.0
設定もガジェットも凝っているのにいまひとつ作品に入り込めません。伊藤計劃の原作にかなり忠実なのですが、原作はそのまま映像化するのには向いていないのかもしれません。作品はその殆どを暗殺作戦とその理由について語るシーンで構成されているのですが暗殺作戦がリアルに描かれているのとは対称的になぜそうしなければならないか作品全体の摂理的な問題については会話劇になってしまい、そこでは登場人物はまさに小説のセリフのようなセリフをしゃべってばかりいるのです。その事は原作を読んでいる時ですら気づいていましたが難解なだけでなく、少しリアリティーが無いという気もします。あと途中制作が中断したということですが、そのせいなのかどうなのか作画にムラがありました。観ながら味方殺しをするシーンが異様に多いと気づかされるのですが、それは映像化することによって強調されたのかもしれません。ヒトが味方殺しをする動物なのだ強調することはこの作品のテーマを語りやすくしているように思いました。
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