ギャス

虐殺器官のギャスのレビュー・感想・評価

虐殺器官(2015年製作の映画)
3.4
予想外に面白く怖い話。論理に少々の粗はあるとはいえ、飲み込まれそうになった。
これを見せてはいけない人種はいると思う。「あちらはあちらで殺りあってもらうのだ」という論理に簡単に食いつきそうな人種。

虐殺器官というキャッチーなフレーズからどんどん派生して、人間社会の成り立ち、そして現代の世界のいびつなバランスの取り方へ問題提起し、
また、痛覚のマスキングというシステムから、良心と認知のマスキングの概念も引きずり出すストーリーは胸に刺さる。

ルチアという「人間の良心」をしっかり思い出して、感覚や認知にマスキングせず、生きていくことを心がけたいが、私たちの世界はあまりに便利だ。
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