南北分断の歴史があるからこそ、韓国映画はとことんシリアスで重めのアクション・ノワールが撮れるんだよなぁ〜と思わず唸った本作。
どれだけ記憶を辿っても優しげな表情しか思い浮かばないコン・ユが持ち前の微笑みを封印し、バッキバキの腹筋で脱北した元北朝鮮秘密工作員役を好演。
愛する妻子を殺された元北朝鮮特殊部隊のチ・ドンチョル(コン・ユ)は、韓国に逃げた犯人を追っていた。そんな中、彼を庇護していたパク会長が暗殺される。彼の殺害現場に居合わせ、ある品を受け取ったドンチョルは、容疑者として追われる身となり—— 。
執拗にドンチョルを追う追跡者、ミン・セフン大佐(パク・ヒスン)、漫画かな?と思うような前髪がぴょんとハネているチョ大尉(チョ・ジェユン)、ドンチョルと行動を共にする紅一点チェ・ギョンヒ記者(ユ・ダイン)、ドンチョルの妻子を殺したリ・グアンジョ(キム・ソンギュン)、そして黒幕はメガネとムカつく顔つきのキム・ソッコ室長(チョ・ソンハ)。
細かなカット割で魅せるアクションシーンの連続。容疑者としての逃亡劇は「ボーン」シリーズを彷彿とさせるし。
凄かったのがカーチェイス。
狭く坂道も多いソウルの路地裏をバック走行でガンガン行くやん!!
パク会長がドンチョルに託けたのは彼が身に付けていた眼鏡。その眼鏡に隠された謎が…。
意外過ぎるオチに、若干拍子抜けしたものの、予想の斜め上ではある。
とにかくコン・ユがカッコ良過ぎた〜!
バック走行シーンはもう一度おかわりしたいぐらい。