じゅん16g

アイアムアヒーローのじゅん16gのレビュー・感想・評価

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)
3.5
花沢健吾の漫画原作のゾンビ映画。
漫画アシスタントの主人公英雄が突如蔓延したZQN(ゾンビ)たちから逃げる途中、出会った女子高生の比呂美と共にゾンビウイルスが来ないと噂されている標高の高い富士山を目指すってな話。

今現在21巻まで刊行されている作品のちょいちょいはしょった上で8巻くらいまでを描いている。なので若干の駆け足感はいなめないかな。
最初にキャストが発表された時は大泉洋!?ってなったが蓋を開けてみればほぼ全員がこれでもかってくらいに素晴らしい采配かと。
邦画でこれほどのゾンビ映画ってのはなかったと思うし、出来も悪くなかった。漫画原作の中では成功の部類に入ると思う。

しかし原作ファンとしては物足りないと感じるのも事実。もうちょっとグロくてもよかったんではと感じた。
花沢健吾作品ではお馴染みのキャラクター矢島、今作では登場ならず。英雄の妄想上のキャラクターだし、そこ語りだすと尺も足りなくなるからカットされたのかな。
英雄と比呂美の関係性もいつの間に仲良くなったのって感じになってる。さらに言えば小田さんのビッチ感も足りない。

とはいえわりと満足できたし、続編も期待できる。となると中田コロリ先生の活躍も期待できるし、浅田くん役には花沢健吾の盟友、漫画家の浅野いにおに決まりだな。

余談になるが作中、中田コロリの作品を英雄が読んで『おもしれぇなぁ』とつぶやくシーンがあるが、あの漫画の作画は浅野いにおのもの。しかもソラニンのあの土手。漫画好きにはたまらない演出だった。