監督相対評価★3
森村泰昌とマリリン・モンローのM。
芸術家を俳優として起用しているものの、非常に悪趣味。ただし我々と偽マリリン・モンローとを決定的に隔てる壁はカメラレンズのみならず鏡であり写真であるわけで、彼(彼女)は画面内の画面というか常に出口のない閉鎖的空間に監禁されているイメージ。しかし『12月のかくれんぼ』を経てここでカメラを持った人間がカメラに近寄ってくる狂気ぶりと多重イメージが仮面以外に表情を隠す格好の口実として機能している。口紅が男性器に見えた。
同じ日にシネマテークで観た『ゴダールの探偵』でも男性用トイレが出てきたのでちょっと面食らう。