ぼっちザうぉっちゃー

百円の恋のぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

百円の恋(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

いたいいたいいたいいたい、痛い、イタイ。
それは心の痛み、恋の痛み。体の痛み、処女喪失の痛み。拳の痛み。

自堕落な生活を送りつつ未だにオンナを捨てられないイタイ女、一子(イチコ)とぶっきらぼうな壮年ボクサー、二人の仲には明確な愛情表現も恋慕感もなく、お互いいい年した生臭さが感じられた。

ラスト急にいい感じになりやがって、これからまた年相応にハリのある付き合いに発展していきそう。

やはり見所は安藤サクラの肉体改造。
殴り合って肩叩きあって、なんかいい。で始めたボクシングも、いつしか自分と向き合う鏡となり、社会を生き抜く力となっていく。
百円で始まった恋につまずいたりしながらさらに熱中する乙女。
なぜか釣られて顎を引いて力んでしまうし、シャドーと一緒に体が動いちゃう。

社会の負け犬がリングに上がったところで未だに負け犬であることに変わりはない。
しかしリング(社会)に立ち齢32にして初めて得た痛み(敗北)は、勝利への希求を身に宿らせるには充分なものだったに違いない。