はる

百円の恋のはるのレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
3.0
「イン・ザ・ヒーロー」と同じ監督の本作。この映画も題材はいいのに、残念な仕上がりに…。というか、私とこの監督の感性が全く合わないだけなのかもしれませんが…。
戸田誠二さんの「ボクシング・ママ」(美咲ヶ丘ite 1巻に収録)という、主婦がボクシングをやる話が好きなんです。この「ボクシング・ママ」にはあるリアリティが、「百円の恋」にはないんです。「イン・ザ・ヒーロー」にもリアリティがありませんでしたけど。
なんというか、「イン・ザ・ヒーロー」も「百円の恋」も、あらすじ的すぎるというか、1つ1つの出来事の繋がりがなさすぎるというか…。
あとセリフとか起こる出来事も「ここでこんなこと言わないだろ!」とか「ここでこんなことしないだろ!」という感じのものが多いんですよ。
例えばこの映画で言うと、店の金を盗った中年の男が防犯カメラに向かって店長の悪口言ってたり、電波なおばさんが廃棄の弁当取りにきてたり、主人公は強姦されても割と平気だったり…。
「百円」っていうワードもいまいち活きてない気が。安藤サクラはよかったんだけどなあ。

あと個人的には主題歌の演出が下手で、がっかりしました。
タイトルを出すときは、ドラムの「ドドン!」っていう音に合わせて出して欲しかったわ!!そんでタイトル出したらすぐに暗転してほしかった。遠ざかってく二人の後姿をいつまでも映さなくていいんですよ!!
クリープハイプの「百八円の恋」自体はすっごくよかったんですよ!!「もうすぐこの映画も終わる こんなあたしの事は忘れてね」という歌い出しからして最高の歌詞ですよ!
「ねぇどうして うまくできないんだろう」という痛切な一子の叫びが胸を打つんですよ…!それなのに映画はこの出来…。
というか、「百八円の恋」の歌詞がよすぎて、映画のハードルを上げ過ぎたのかも…。とにかく残念でした。
はる

はる