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天空の蜂のKUBOのレビュー・感想・評価

天空の蜂(2015年製作の映画)
4.0
東野圭吾原作、堤幸彦監督作品「天空の蜂」。この「天空の蜂」に出てくる大型ヘリ「BIG-B」のコックピットが、昨年の東京国際映画祭の会場に展示されていて、その頃からどんな作品になるのか楽しみにしていた作品です。

いや〜、この映画、エンタメの皮を被った超メッセージ映画でした! 舞台はまだ日本中の原発が稼働していた1995年。自衛隊の超大型新鋭ヘリ「BIG-B」が遠隔操作でジャックされ、高速増殖炉の上でホバリングを始める。犯人の要求は日本中の原発を破棄すること。BIG-Bの燃料が尽きるまで8時間。日本の運命は!?

BIG-Bの設計士に江口洋介。原発の専門家に本木雅弘。このもっくんの役者としての存在感がすごい! 他にも仲間由紀恵、綾野剛、向井理などなど、堤監督の元に集まった超豪華キャスト! もっとスペクタクルかと思いきや、意外と人間ドラマでした。

「原発は安全です」
「ジャンボ機がぶつかっても壊れません」
「爆弾が積んであっても大丈夫なんですか?」
「そういう事態は想定していません」
つい最近、山本太郎議員が国会質疑を行った時の様子が思い出される問答も。

最後に犯人が「本当に狂ってるのは誰か、いつか思い知ることになる」と言った後で3.11後の東北の被災地を持ってくるところなんか「堤さん、やるな〜」っていう感じで、堤幸彦の本気を感じました! 川内原発の再稼働が問題視されている今、タイムリーな作品! 原発再稼働を推し進める現政権の人たちは見たくないだろうな〜。

エンタメとしても一級品! 強くオススメ!
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