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天空の蜂のmitoのレビュー・感想・評価

天空の蜂(2015年製作の映画)
1.7
堤幸彦監督作品。
…って時点で多くの人が観る前から心配でならない作品。

しかもテーマが原発というから、更に心配。
内容は反原発でも推進でもなく、限りなく中立の立場。原発はリスクを負うものである事を前提に、それが未来の希望であり、脅威である事を様々な立場で語るところは面白い。
特に原発技術者達のプロ意識に関しては素直に格好良いと感じる場面が多い。

ただ、良い所はそこだけ。
正直、この映画、見どころとなる場面に限って演出が足を引っ張っている。

・登場人物が長台詞で語り出す
・スローモーション
・音声ミュート
・用意周到過ぎて非現実的な展開
・オーバーリアクト

全ての見せ場が上記の影響で残念な事になっている。

スローモーション、ミュート演出で見せ場に入るとスピード感が落る、寧ろどうでもいいシーンの方が上手いと感じる始末。

急を要する場面でお前発狂してるのかってテンションで、長ゼリフを繰り出す登場人物に呆れる。

テレビ局の国家の危機をスポーツ実況のように語る様や、
緊張感溢れる車のハンドルの奪い合いから頭文字Dレベルの華麗なドリフトを峠で決める様は大爆笑。

結局、堤幸彦は堤幸彦だった。
終わり方もあの「送信できませんでした」で終わっていたら、映画のテーマにも合ってるし、最高な皮肉で締められて少しは再評価出来たかも知れないが…。
あれだけ原発の話をして、あの話で終わりって、寧ろ絶望的なんじゃ…いや、良い話みたいにしてますけどね?
まあ、良い悪い云々抜きにしても下手だよ。
他にも言いたい事は沢山あるけど、終始そんな映画(笑)
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