Luna

はじまりのうたのLunaのネタバレレビュー・内容・結末

はじまりのうた(2013年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

観てからだいぶ経ってしまった。

繰り返し観た本作だけど、恋人との決別を選ぶ決断への共感が、観るごとに増していく。
自分もまた、音楽を演奏すること、創作することの意義が、人生の奥底と深い結び付きを持つ。だからこそ、自らの手で生み出したものの本質が歪められるような選択肢を取ることができなくなったと思う。

グレタがかいたLost Starsは、デイヴとの日々に心を寄せてかかれたもの。グレタにとっての音楽は、多くの人を熱狂の渦に巻き込むためのものではなく、自分の気持ちを吐露するための心の居場所。
デイヴにとっての音楽は、夢見た舞台に立つための手段なのかもしれない。
その決定的な違いが、彼らの結末を呼んだのだろう。

音楽がどのような姿であるべきか、それは人それぞれだ。誰もが正解であり、不正解であり、多様な意見があるということが、芸術の存在意義であるようにも思う。
自分の中の音楽の置き場所、自分の愛する音楽の形を手のひらの中で守ることで開けるそれぞれの道がきっとあるのだろう。

また観たい。
Luna

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