さくらもち

イントゥ・ザ・ウッズのさくらもちのネタバレレビュー・内容・結末

イントゥ・ザ・ウッズ(2014年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

映画の楽しみ方というのは人それぞれだ。複数の登場人物の人生が同時並行で進行し、それぞれが交錯し合ってそれぞれの物語をまた違う形で形成していく。今流行のドラマではないが、「たられば」言っていても時間が過ぎるばかりだ。もちろん感傷に浸るのは文明社会に生き、感情を内在させる人間にとって誰の責任かということは追求すればするほど根源までたどり着くどころか根が深く過去を振り返るばかりで前に進めなくなってしまう。
この映画は赤ずきんとジャックと豆の木、シンデレラ、ラプンツェル、あとは、私は何の物語をモデルにしているのかが分かりかねたが、子宝に恵まれないパン屋の夫婦の5組が物語を紡いでいる。個人的に主軸はその夫婦が因縁あってかけられた呪いをとくために必要なもの、ミルクのように白い牝牛、真っ赤なずきん、とうもろこしのように黄色い髪、金色の靴の4つを集めるところにあるように感じた。構成が緻密でまだ一回しか見ていないが大きな矛盾点もなく、パズルのピースがはまるように物語が進んでいく。
一つ気になった点として挙げるならラプンツェルの髪は切っても茶色くならない点だ。2回ほどラプンツェルの髪を切るシーンがあったが特に特殊効果は見られなかった。ディズニーアニメとは少し違うようだ。
また、映画本編はほとんどミュージカル仕立てで日本語吹き替えがない。日本人受けがあまり良くないかもしれない。
ここからは少しネタバレになるが、ディズニーで浮気が堂々と描かれていることが印象的だった。シンデレラと結ばれたはずの王子様とせっかく子どもを授かった妻がキスをし、そのまま妻が崖から落ちて亡くなるという部分がどうしても切なくてスコアを下げてしまった。シンデレラがその後その様子を見ていた鳥達から話を聞いて王子を別れるところは納得がいくものがあった。
全ては因果応報。誰かのせいにしても始まらない。強くなりたいときに見るのがおすすめなように思う。
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