現代の異国の戦場から話が始まったときはどうなるかと心配になったが、伏線回収はきちんとされて心配は杞憂に終わった。主人公の霊能力も霊感が強い程度で直接的に霊能力で戦うような派手さがないところも、実話ベースという点の説得力が増して自分の好みとしては加点ポイント。エリック・バナの過去の罪を含めた凄惨な事件や他の人には見聞きできないものを感知してしまう能力に悩まされ精神的にすり減っていく演技も良い。主人公が警察ということもあり、ミステリー的な要素とエクソシズムを主題にしたホラー映画が上手くバランスしていた。邦題の付け方で少し損をしている感がある。露骨に霊や悪魔が視覚的に現れて暴れまくる映画を望む人には向かないが、霊的な現象は控えめだがそれに巻き込まれる登場人物の疑念・葛藤・精神的苦しみを中心に描かれる作品が好きならおすすめ。
