どこへ行っていたのかわからなかった夫が死んで幽霊になって妻の元へ帰ってきて、自分の辿った道のりを妻とともに遡っていくという、いくぶんファンタジー要素の強い話です。
これまで夫が何をしてきたのかがわからず、（幽霊になって戻ってきたとはいえ）夫がもう死んでしまっているために一緒に寄り添って生きていくことができない妻は、当初、夫に対してもやもやとした複雑な気持ちを抱いているように見えました。夫の「過去」を訪ねていく旅を通じて、妻はようやく自分の中のもやもやとした感じに決着をつけることができるようになる、といった感じでしょうか。
人の生死にかかわる感情に対して、どうやって折り合いを付けていくかを考えさせられる内容だと思います。
