JTKの映画メモ

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のJTKの映画メモのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

オープニングのレイモンド・カーヴァーの引用を用いたタイトルバックから只者ではないセンス!
ストーリー自体は嘗てはヒーロー映画で人気を博した落ちぶれた映画俳優がブロードウェイの舞台で再起を期すという何てことないものだが全編ワンカット長回しのような(実際そうではない)撮影と全編貫く殆どドラムソロのみの音楽がグイグイとリズミカルに乗せる載せる語り口。空想癖のある主人公とその苦悩というとフェリーニの8 1/2を彷彿とさせなくもないが、映画というものはその「語り口」こそ作家の個性というか面白さを醸し出すもの。そしてその語り口が完璧に機能した優れたブラックユーモアの傑作がバットマン演じたマイケル・キートンの「バードマン」。
レイモンド・カーヴァーの短編を舞台化したという設定からして暗いし自死というエンディングもさもありなんだがラストには一筋の希望がサムの表情で見て取れる。
エドワード・ノートン、エマ・ストーンなどなどキャスティングも役者のアンサンブルも言うことなし。
あー、面白かった。(^_^)