浅野公喜

カリフォルニア・キッドの浅野公喜のレビュー・感想・評価

カリフォルニア・キッド(1973年製作の映画)
3.3
スピード違反の車を煽り事故死に追いやる保安官と炎の模様が描かれたフォードの改造車に乗り町にやってきた青年の対立を描いたマーティン・シーン主演のカーアクション。

テレビ映画として作られた為かド派手なカーアクションは殆ど無く、主人公は勿論かつて妻子をひき逃げで亡くしたヴィック・モロー演じる保安官の過去は淡泊に描かれエンディングも想像通り。しかし感情を大きく揺さぶることはないものの町を牛耳る悪党と新参者が最後に一騎打ち的なストーリーは馬が車に代わった現代西部劇といった趣で、目的を果たせばそのまま黙って去る様も古き良き美学のようなものを感じました。

今作の影響で後にカリフォルニア・キッドと呼ばれる1934年型フォードはその音含め格好良く、パトカーは「クリスティーン」のプリムスとほぼ同じ型(グレードが違う)ベルべディアなのも注目。町の修理工役は若い頃のニック・ノルティが演じています。

それにしてもマーティン・シーンは息子のエミリオ・エステベスが「レポマン」に「地獄のデビル・トラック」、その弟チャーリー・シーンが「処刑ライダー」「ノーマンズ・ランド」「ザ・チェイス」等に主演と一家で車関連の作品と縁が有りますね。
浅野公喜

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