がちゃん

荒野の千鳥足のがちゃんのレビュー・感想・評価

荒野の千鳥足(1971年製作の映画)
3.4
珍品と言われる作品には数多く出会ってきた僕ですが、この作品もなかなかのもの。

邦題からは、のんびりしたイタリア製ののんびりしたマカロニウェスタンを想像したのですが、まるで違った不条理ロードムーヴィーでした。

田舎町で教師をやっていた主人公が、クリスマス休暇(舞台がオーストラリアなので夏である)を利用して、恋人の待つシドニーへ行こうとする。

その道中、途中下車したある街で、
思いもよらぬ歓迎を受け酒をふるまわれる。

酔って調子に乗った主人公は、
博打場で全財産を失ってしまい・・・

で、のんびりした展開はここから一転、主人公は地獄めぐりを味わうことになります。

とにかく登場人物たちが四六時中飲んでいる。
回りには常にハエが飛び交い、男たちはげっぷを繰り返す。

表向きは清純そうな娘さんが、実は相当の好きものだったり、中年男にレイプされたり・・・(あ、主人公は男性ね)。
乱痴気騒ぎのカンガルー狩りに連れ出されたり。

このカンガルー狩りのシーンは、あまり気持ちいいものではない。
むしろ不快に感じられる方の方が多いだろう。

監督が『ランボー』のテッド・コッチェフなんですよね。
ツボにハマると迫力ある描写だが、とにかく絵面が汚い。(嫌いじゃないですけど)

とにかく飲んで気を失い、また飲んで気を失い、どんどん悪夢にハマっていく主人公を傍観者として見守るしかありません。

名作とか傑作とかではありませんが、
私の記憶に残る一本であることには間違いなし。

閲覧注意作品ですが、気になる方はドゾ。

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