メシと映画のK佐藤

ジャングル・ブックのメシと映画のK佐藤のネタバレレビュー・内容・結末

ジャングル・ブック(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ゴールデンウィーク中にアニメ版を鑑賞していたところ、然程間をおかずに実写版が地上波でノーカット放送されると知り、こりゃラッキーとリアルタイムで鑑賞。
昨今のディズニーの実写版作品は、元のアニメ版の足りなかった所を補完してくれている(美女と野獣ではベルの母の描写の追加、シンデレラではトレメイン夫人がシンデレラに辛く当たった理由の掘り下げ等々)ので期待していたのですが、期待以上でした。
結論から申しますと、オリジナルのアニメ版より出来が良くなっていたと思います。

シア・カーンの活躍の追加により、モーグリのジャングルを出て行くと云う話の組立が自然になっている。
モーグリが赤ん坊の頃にシア・カーンと出会っていたと云う描写の追加により、シアがモーグリに拘る事の説得力が増し、両名の関係を宿命めいたものにして盛り上げに成功している。
キング・ルーイがジャングルの支配者にならんとする野心家として描く事により、彼が人間の様になりたいと云う事の理由づけになっている。また、アニメ版では微妙な立ち位置だったルーイだが、完全にヴィランになっていてキャラクターがアニメ版より立っている。
etc…。
兎にも角にも本作の追加・アレンジ具合が最の高で、オリジナルのアニメ版を補完するどころか進化・発展させていたのが高評価の要因です。

そんなアレンジの中で個人的に秀逸だったのが、エンディングの変更。
オリジナルでは人間の女の子にのぼせたかの様にバギーラとバルーとの涙のお別れも無くジャングルを後にすると云うエンディングは、個人的に何だかなーと思っておりました。
この実写版、何とモーグリは人間の里には行かずジャングルで生きて行くと云うエンディングを迎えます。
モーグリが異端でありながらも他の動物達と共生出来る事は、中盤の象の赤ん坊を助ける描写及びシアとの最終決戦でその結末へ行き着く迄の道路整備がされており、全く無理の無い展開になってます。
いやー、このアレンジはお見事としか言い様が有りませんでした。


ファヴロー監督、この素晴らしいアレンジの手腕を何で実写版ライオン・キングで発揮してくれなかったんだ…😭