ぐっない

きみはいい子のぐっないのレビュー・感想・評価

きみはいい子(2014年製作の映画)
4.8
みんないい子だー。

お母さんもお父さんも、働く大人も、近所のおばあちゃんも、みんな、だれかのこども。みんな、だれかに育ててもらったこども。みんな最初はちっちゃくて、おぎゃーおぎゃーって泣いてて、なんにも知らなかったこども。
こどもは宝だって言うけれど、それじゃあ、おとなも宝だよ。わたしはいま、世界中のひとたちをぎゅーってしたい。抱きしめられただけで泣いちゃうひとはどれだけいるんだろう。


悪い子になってもいいよ。悪い子はいい子になれるから。ってお父さんがむかし、私に言った。でも、ずるい子にはなっちゃだめだよ。って。この映画には、ずるい子がいなかった。
私のお父さんはすごい。夜、お父さんは寝る前に、私の部屋をノックして、おやすみって言いにくる。そのとき私がおやすみって返す声で、私が元気か元気じゃないか分かる。元気じゃないとき、私の声だけで、「どうしたの?なにかあったの?」って聞いてくる。私は意地っ張りだからなんにもないって言うけど、そうすると、私のところに来て、頭ぽんぽんってして、いい子だねー生まれてきてくれてありがとう、かわいい娘だねー。生きててくれてありがとう。って言って出ていく。私はいつも、泣きそうになる。

だから、みんな、いい子だよ。頭ぽんぽんってして、ぎゅーってして、いいこいいこ、って言ってあげたら、みんな、いい子だよ。サンタさんが来なくても、ひとに優しくできなくても、悪い子でも、生きてるだけで、いい子。そう思ったら涙が止まらなくて、遠慮なく泣いた。雷が鳴り出して、光って、雷苦手だけど、今日は怖くなかった。だれも雨で風邪をひかないといいな、とおもった。
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