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きみはいい子のkchのネタバレレビュー・内容・結末

きみはいい子(2014年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

私はよく育てられたなあと思う、周りにはすてきな大人ばかりだった。みんな私を娘のようにしてかわいがってくれたし甘やかしてくれた。今、付き合う大人もみんなやさしいけれど甘やかしてはくれなくなってようやくこれが大人と子どもの境目と気付く。まだ大人になんかなりたくないのに、まだ甘やかしてほしいのに。

高良くんが演じる先生が小学四年生の相手をする教室の生々しさはすごかった。日本人だからあのハコ型の教室がみんなの原風景だし、ちょっとしたおふざけレベルの悪意から壊れていく教室も私は知っている。子どもは純粋だとか大人より独創的だとかそういうことはちっとも言うつもりはないけれど、それでも家族に抱きしめられた感想を口にする照れの混じった言葉たちは胸に突き刺さる。だってみんな見覚えがあるんだから。

小さな子どもに背中を叩かれながら「がんばって がんばって がんばって」と繰り返される高良くん見て泣いた。「(母である)私が子どもにやさしくすれば子どもは他の人にやさしくするんだよ、だから母って仕事はすごいの、世界を平和にする」きっとこのセリフのための映画だった
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