おき

きみはいい子のおきのネタバレレビュー・内容・結末

きみはいい子(2014年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

この映画を観てる間、ずっと「いい子」ってなんだろう、と考えていた。
静かでおとなしくしている子?親の言うことをなんでも聞くような子?挨拶とか、ごめんなさい、ありがとう、がきちんと言える子?
いい子の定義はきっと沢山ある。でも、大人が力づくでいい子にするのは絶対に違うと思った。
途中でシングルマザーの人が、「母親が子供に優しくしたら世界は平和になる。母親ってすごい仕事をしているんだ」って言っていたけど、本当にそうだと思う。
悪いことも、良いことも、確実に連鎖する。虐待をされた人は自分の子供を虐待してしまうし、人に優しくされた事がある人は人に優しくできるはず。
子供は、大人を見て、大人から沢山のものを受け取ったり学んだりして成長していくんだから、今大人である人も、これから大人になっていく人も、良い事が連鎖するように人に優しくできればと思う。

もう一つ思ったのは、抱きしめられたり、頭を撫でられたり、そういう風に愛されて良いのは子供だけじゃない事。大人も、褒められたり、愛されて良い事。親になったとき、責任感で一杯で、子供がいるからちゃんとしなくちゃと思いすぎちゃうことも絶対にある。子供がいなかったとしても、「大人なんだから」で、弱音を吐けない人が沢山いるはず。老若男女関係なく、誰にだって愛される権利がある。でももし、沢山愛されたなら、それを次は自分が他人に連鎖させるべきだ。

大人が誰かを愛さなきゃ、許さなくちゃ、きっとこれから先この世界が負の感情に飲み込まれてしまうだろうから、少なくとも私は今まで親だけじゃなく周りの人たちに愛されて優しさをもらった分、連鎖させなくちゃいけないなと思った。

神田くんがもしあの宿題をできていなかったとしたら、最後に先生に揚げパンをもらって、抱きしめてもらっていたらいいな。
おき

おき