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マルティニークからの祈りのamokのレビュー・感想・評価

マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)
3.5
借金の連帯保証人になったばかりに、ある日6億ウォンもの負債を負うことになった、ジョンべ(コ・ス)。そんな時に、ジョンべの後輩から、金の原石をフランスに運ぶだけで大金になるという、胡散臭い美味しい話が舞い込んでくる。
女にしかできないという、この仕事。
家賃が払えず家を追い出されて、追い詰められた家族を救おうと、妻のジョンヨン(チョン・ドン)はこの仕事を受けることに。
しかし、ジョンヨンは空港で逮捕されてしまう。
ジョンヨンが金の原石だと思っていたものは、麻薬だった。言葉が通じず弁解できずに、訳も分からぬまま投獄されてしまう。
ジョンべは妻を救おうと、韓国のフランス大使館にかけ合うが、まともに受けあってもらえない。通訳をフランスに派遣することもなく、ジョンヨンは話が通じないまま3ヶ月また3ヶ月と、裁判もできないまま勾留期間が延びていく。そして、韓国から12,400kmも離れた、カリブ海にあるマルティニーク島の刑務所へと移送される。

事情も分からず異国の地での、勾留生活を余儀なくされた、ジョンヨンの心細さや、まだ小さい娘ヘリン(カン・ジウ)にママの顔を忘れてきちゃったと言われた時の悲しさは、想像に難くない。
しかし、自分がこの映画を観て思ったことは、もし自分に同じことが起こってしまった時、日本の大使館はちゃんと対処してくれるのかということだ。映画の中の大使館役員は、プライドばかり高くて、ジョンヨンの事件には真面目に対処しなかった。そのせいで、ジョンヨンはいつ終わるか分からない絶望の日々を過ごすことになった。
このケースとは違うが、日本では年金情報のずさんな管理が問題になった。国家公務員みんながみんな、適当な仕事をしている訳ではないだろうが、心配になる。

とにかく、借金の保証人にだけはなるまいと、固く心に誓いました。
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