・ジャンル
スラッシャー/ホラー/カニバリズム
・あらすじ
養子として育った青年ダニーの元に届いた相続の知らせ
仕事上のミスで心を病んでいた中、突如として家族の存在を知った彼は自身のルーツを知りたい一心で恋人トニーの勧めもあり友人達と現地へ
そこにあったのは豪華な家具や骨董品で敷き詰められた大きな温泉リゾートホテルだった
管理人で一族の血筋でもある兄妹、ジャクソンとサリーはダニーを歓待
一方で彼の友人達には横柄な態度が目立った
そんな事は知らず自然に囲まれた環境とジャクソンやサリーの親切さにすっかり気を許し正式に相続を決めるダニー
その裏でトニーは兄妹に異様な物を感じ取っていた
そしてその感覚は間違いではなかった
ジャクソンとサリーにはダニーを呼んだもう1つの隠された理由があったのだ
やがて1人また1人と友人が消えていく中、ダニーは2人の真意を告げられるが…
・感想
森に巣食う奇形の食人一族の生き残り、ヒリカー兄弟に襲われる人々を描くシリーズ6作目にしてオリジナルの完結編
今作ではヒリカー一族の血を引くダニーが初めて一家との対面を果たす物語が描かれている
過去作ではヒリカー兄弟にはほぼ奇形の者しかおらず、森に潜んで人間狩りをする様が描かれている事がほとんどだった
そこから外れる物でもヒリカー兄弟の過去を描くに留まっており、隠遁者に近い形で描かれてきた
対して今作では一族の血を引きながらも奇形ではないジャクソンとサリーの兄妹が登場したり、通称に過ぎなかったヒリカーという一族の名前も正式な物とされ、更には近親婚や食人が伝統という扱いに
それ自体は因習の村というホラーあるあるな題材ではあるものの過去作と繋げていながら矛盾する設定を当然の様に追加してくるのはどうなんだろうとモヤモヤ
ヒリカー兄弟が搾取される立場にあるという点は前作と同じなんだけど今回もまた謀反は行われず…
シリアスな世界観に立ち返ったのは喜ばしい事なんだけどそういう残念な点がかなり目立ったのは否定出来ない
まず違和感があったのがダニー
仕事上のミスから心を病んで双極性障害を患っている事が匂わされていたとはいえ何故、サリーとジャクソンに早々と洗脳されてしまったのかが謎
手製の軟膏や密造酒など怪しい物があったとはいえ血筋に呑まれる過程が雑過ぎたと思う
そして次にダニーの恋人トニー
彼女はいち早くジャクソンとサリーに危険を感じ取っていた
一応、血痕を掃除する姿を軽く目撃していたとはいえそこに言及はしていなかったので恐らくそれは直感による部分が大きい
しかしホラーにおいて直感というのは悪い意味で便利な物で本来は論理的な説明があるべきじゃないか?とどうしても感じる
友人の1人ヴィクがヒリカー兄弟を目撃していたのだから同じ様な展開を入れるだけでどうにか出来た部分じゃないのかなぁ…
そして何より気になったのが話のプロットがほぼ「悪魔のいけにえ」7作目と被っていた点
一族の虐げられた過去などは描かれなかったものの結末も含め似ている部分が多過ぎて公開も翌年だったという事で盗作を疑ってしまった
まぁそこまで目新しい設定という訳ではないけど…
良かった点はサリーの放つ絶妙に気持ち悪いオーラや色情狂と猟奇性を前面に出した気持ち悪さ
ジャクソンも同じくらい気持ち悪く描かれていたら尚良かったんだけど“計画”の為に冷静に動くばかりでヒリカー兄弟への支配がもう少し苛烈だったらまだ印象に残ったんじゃないかなという感じ
ただ端々で挿まれる濡れ場が後に異常な論理に基づく近親婚の伝統に繋がる為に単なるお色気で止まっていなかったのは悪くない
そういうそこそこ良い部分もあったからこそ全体的に作りが甘かったかなぁ、と
それでも一族以外もセックスと金の事しか頭に無さすぎん?wとはなったけどw
でもまぁゴア描写は割と良かった
股裂脚切断やらアナルホース爆破やらw
とりあえずオリジナルシリーズはこれで終わり
残すはリブート版1作だけなんだけどこちらには食人一家は出て来ないらしいしどうなる事やら…
まぁ結果として面白ければ何でも良いんだけどね…
1作目の脚本家が復帰している様だし