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ニンフォマニアック Vol.2のharu3uのネタバレレビュー・内容・結末

ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

vol.1のコメディ色が薄まり、トリアー節が出てきた後編。
前編と比べ性行為は量より質重視に。異文化交流やSM等、衝動のまま新しい世界へ深みへと嵌まっていく。ジョーの欲望のままに生きるという揺るぎない信念には、もはや求道者の趣さえ感じます。性への欲望が母性を超越するか否かの場面は、目を背けたくなる程スリリング。

いい落とし処に向かっていると思いきや、なラストはトリアー監督の嫌らしさ全開。つまるところ人間は愚かで滑稽な生き物で、相互理解には残酷なまでに決定的な隔たりがあるという。ラストがvol.1冒頭のやけに長い暗闇と符合しているのも面白いですね。ただ間違いなくえげつないものを見せられるんだろうなと覚悟を決めていた分、何だか拍子抜けでした。

エンドロールで流れるシャルロット・ゲンズブールがカバーしたジミヘンの“Hey Joe”はとても素敵。 vol.1と続けて観たからでしょうか、妙な疾走感&達成感が残る映画体験でした。
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