映画の中のキャラクターとしてではなく、
伝説的俳優であるデニーロと、若手実力派女優アンが
演技を通して心の交流をしている様子として終始鑑賞していた。
二人が紡ぎ出す友情が美しく、心温まる作品だった。
当初はなんとなく映画の中身が読めるような気がして
申し訳ないことに観る予定は無かったのだが、
予想に反してよくあるこの手の作品の流れに逆らうかのように、
思いの外シンプルに物語は進んでいく。
今なお第一線で活躍し続けるデニーロだが、
どんなキャラクターでも「デニーロらしいなあ」と思わせる
説得力は本当に素晴らしい。
演技力だけでなく、俳優デニーロの人柄さえも感じさせる。
今作のようなコメディ路線でも、ギャングものやサスペンス、
シリアスな作品でもデニーロが演じる役として
違和感があるものは一つもない。
対してアンも、仕事一筋の女社長が心情を吐露するシーンなど、
キャラクターを等身大で演じきる姿は見事としか言えない。
二人の初コラボレーションは、素晴らしい相乗効果をもたらしている。
笑えて、元気が出て、ホロリと泣けて、
ぜひおすすめしたいポジティブムービー。
