ShimaD

ダーク・プレイスのShimaDのレビュー・感想・評価

ダーク・プレイス(2015年製作の映画)
3.5
ジャンルとしてはミステリーなのでしょうが、真相究明よりもそれぞれが犯した過ちと向き合うドラマに重きを置いた作風でした。
過去と現代が交錯する作りになっており、幼かったリビー(シャーリーズ・セロン)が知り得なかった事実が28年後の調査で明らかになっていくというプロット。
その真相はなかなかにハッとさせられるのでミステリーとしても観応えありますが、同時に切なく悲しい気持ちにもなります( ノД`)

現代の主人公はリビーですが事件後の28年を呪ってか、序盤はなにかと「Fu●k」と吐くので屈折した女性に育ったなぁという印象。やたらと吠える犬のように、常になにかに怯え虚勢を張っているのでしょうね。
本筋とも言える過去の主人公はリビーの兄ベン(タイ・シェリダン)と、彼ら4兄妹の母(クリスティーナ・ヘンドリクス)のふたり。
このふたりの演技がとても素晴らしく、その役回りも本当にドラマチックであり、なんなら過去編だけで観てみたい!と思いました。その点でスコア上乗せですねー。

1985年当時の時代背景が色濃く表されており、“流行り始めた悪魔崇拝”や“貧窮した農家”などが密接に絡んできます。現代じゃ悪魔崇拝も珍しくないってほんとなのニック?
ベンはビッチな彼女ディオンドラ(クロエ=グレース・モレッツ!)の影響と現状の鬱屈からの逃避で悪魔崇拝への道へ足を踏み入れますが、本当の悪魔はディオンドラなのでは…と思ったり。タブーだけど「本当に○○○?」ってそりゃあ聞きたくなるもの…。彼女も少女から女になったのだなあ(˘ω˘)

そしてお母さん役のクリスティーナ。じぶんは彼女に釘付けになっておりました。単純に顔やファッション等の見た目がすきなのもありますが、(あ、お母さんだ)とすんなり入り込める感じで。母の顔になってましたね。
彼女のとある選択には涙必至なのですが、そこがまた解せないポイントでもあり、“なぜあそこでなければならなかったのか”がわからないため、ものすごく歯痒く、不条理に感じるのです。劇場で頭抱えました(/´△`\)

観賞後に公式サイトを見て驚いたのが、すでにかなりのヒント(ネタバレ)を出していること。あれ見たら、細かく伏線を拾っていくひとであれば途中で真相に辿り着いてしまうと思います。
ただ冒頭でも書いた通り、観ているひとを騙したり驚かせることがメインの作品ではないので、推理目線で観ないほうが楽しめるかも知れませんね。
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