Taketo

ザ・ウォークのTaketoのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ワールドトレードセンターを無許可で綱渡りしたフィリップ・プティを題材にした実話もの。
どこまでが本当にあった話なのかは少し疑問ですが、かなりエンタメな作品で序盤はコメディで見せつつ大衆受けする形をとっている印象でした。綱渡りに取り憑かれる主人公という誰もが共感できない設定、あまり序盤に障害が起きないストーリー展開などを補うためなのかな?と思いました。
ひとつの事に取り憑かれる主人公とその姿に惹かれる仲間たちという構図は単純ですがやはり良いものです。それと同時にエンタメ感をそこからも感じます。
どこかで主人公の葛藤とかみせるんだろうな?と思っていたら確かにそういうシーンは決行前夜にあったものの一瞬だけで「あれ?そんなもん」と思いました。
さすがに縄を駈け出す時は全てが順調にいかなくなるので、そこは個人的には見応えがありました。特にワイヤーを落としてしまう時はハラハラしました。おそらくあの映画の中で一番カットが早く、あのワイヤーが鳴らしそうなキンキンした音やクランプを閉める音が良い効果を出していたと思います。僕個人の沸点はそこがトップです。縄を渡り出す時は緊張したものの何周もしだしたのは少し飽きました。そこも事実だからしょうがないのでしょうが、あの自由に動くカメラワークも相まってか少し現実味がなくなったと思います。
あと映像的には初めて綱渡りの練習をする時の2つの木にロープをつなげる時の早送りのシーンやそこから何本かあったロープが一本一本ディゾルブするように減っていく映像やスパイしているシーンでのエレベーターに乗った時と降りる時とで服装が変化している時の映像やテンポ感がフランス映画っぽい気がしました。ロバートゼメキスってこういう映画を撮る人なんだっけ?と少し思いました。

英語が得意なわけではないので正しいフランス訛りなのかは分からないですがジョセフ・ゴードン・レヴィットがフランス訛りで話していてやっぱり役者って凄いなぁと思いました。綱渡りも出来るようにしたらしく本当に凄いっす。

これまたエンドロールで流れる曲が個人的にはツボでオーケストラ風のワイヤーをかけるシーンで使われていた曲からフィリップがスパイしている時に使われていたコメディな曲のつながりがかっこよかったです。

ラストの今は無いワールドトレードセンターを写したカットは少し寂しさを感じさせる気がしました。
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