映画好きのぱずー

ザ・ウォークの映画好きのぱずーのレビュー・感想・評価

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)
4.5
「軽快な音楽」と「小気味良いテンポ」で「マッドネスな冒険」を。




快作。前半はお洒落さ全開で、「見る映画を間違えたか⁉︎」と思うほどCMとは雰囲気が違う。


もちろん段々とフィリップが高所に取り憑かれて「狂って」くるのだが、
前半のフィリップの生い立ちというバックボーンがあるから物語の筋はブレない。


CMでは「狂った」を前面に押し出しているがこれはフィリップの「自己実現」の物語だと分かって見進めることが出来る。






そして物語はフィリップの人間性に絞られていく。


主人公フィリップは綱渡りの天才。そして同時に、


努力の天才でもあり、


カリスマ性の天才でもあり、


折れない心の天才でもあった。





たしかに触れ込みの通り、
フィリップはとんでもなく
「クレイジー」だ。


しかしフィリップの辿った道は「クレイジー」ではなかった。


フィリップは「クレイジーな夢」を叶えるために一歩一歩たしかな道を辿っていった。


たゆまぬ努力で技術を磨き、


カリスマ性で「共犯者」を集め、


自分に無い物を学ぶため、師に頭を下げ、


そして変わらぬ夢を持ち続けた。







途方もない道の途中で、フィリップは段々と狂っていったかもしれない。


しかし彼の「道筋」は狂ったものではなく、堅実だった。


だからこその結果であり、だからこその賞賛だと思える。


実話系に外れなし。
また一つ良い映画を見れた。




p.s.
あの状況での
「ワイヤーから離れなさい!」は流石に笑いを堪え切れなかった。