映画好きのぱずー

ルームの映画好きのぱずーのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.0
【ネタバレ無しの感想を!】

心理描写が徹底的に丁寧。心理状態を風景や風、周りの物、そして動作などの演技で表現しているから分かりやすい。

そんな心理状態の中でも、理解しやすい点の代表が「浦島太郎状態」の描写。

「ルーム」の中で生まれたジャックは元より、母ジョイがいかに世間から取り残されてしまったか。

「浦島太郎」状態がいかに残酷な事なのか。
それを
①世間と母、
②世界と息子。
の対比を通して分かりやすくかつ情緒的に表している。



そしてその辛い心理描写があるからこそ、息子ジャックの成長が光を伴って眩しく映る。

「ルーム」しか知らなかったジャックが段階的に「世界」に順応していく姿は感動だった。