圧巻……。
ディカプリオ×トムハーディ×グリーソン。三つ巴の演技合戦。映像技術と撮影技術の結晶。
ヒールもハマるトムハさん。マッドマックスでは仲間のことをだけを考える熱いナイスガイだったのに今作では金のことだけを考える利己的な名悪役に。
終盤のディカプリオとの血みどろの一騎打ちは息つく暇もないほど。今作では声が高くて「マッドマックスの兄ちゃんやん!」と気づくまでに時間がかかった。
グリーソンはこういう方向に演技の幅を広げるとは思っていなかったので嬉しい驚き。フィッツジェラルドを血眼で探すシーンは観ているこっちが逃げ出したくなるくらいの鬼気迫る演技。ロングカットとも上手くマッチしていた。
レヴェナントは普通映画で映さないようなシーンも余すことなく魅せてくれる。
銃床で殴打され陥没する頰。射殺され地に臥す馬。男性器を切り取られ呻く者。
中でも印象的なのはグリズリーとディカプリオが殺しあうシーン。劇場のスクリーンで観ていたら間違いなく目を覆っていたであろう迫力。もしかしたらチビっていたかもしれない。笑
自然に翻弄され、人間の底意地に愚弄され、何度も何度も地に叩きつけられる主人公を地を這うように撮ってみたり時には天空から見下ろすように撮ってみたり。
イニャリトゥが何を考えて200年前の事件を最高技術と巨額の資金を投じて現代に蘇らせたのか。
その真意は計りかるがこの映画の持つパワーは間違いがない本物。名作です。