くーちゃ

くちびるに歌をのくーちゃのレビュー・感想・評価

くちびるに歌を(2015年製作の映画)
3.9
よくある、コンクールに向かって奮闘する生徒達の話だろうと思って、あまり期待せずに鑑賞したのだが、結構ジーンとやられましたね。泣きました。

舞台は、長崎県の五島列島の中学校。
東京でピアニストとして活躍していた柏木ユリは、心に傷を負い、久しぶりに故郷に帰って来た。
同級生の音楽教師松山ハルコが産休に入る為、代理として臨時教員を頼まれたからだ。
嫌々合唱部の顧問を引き受けたものの、生徒達の声に耳を傾けることもなく、ピアノも頑なに弾こうとしない。
コンクールを控えているにもかかわらず、男子部員を入れ、女子は不安を隠せない…

作品中では、生徒達がそれぞれ悩みを持ち、合唱部に救いを求めて打ち込んでいるのだが、その中でも特に心を動かされたのは、自閉症の兄を持つ桑原サトル君。ユリが出した「15年後の自分へ」手紙を書くという宿題をただ一人真面目に提出し、その内容があまりにも健気で…泣かずにはいられない。
そして、ユリの心にも次第に変化が…


一番の見せ場である合唱コンクールは、自然と涙が流れる。
「手紙〜拝啓十五の君へ〜」わかってはいても、やはりその歌声に感動してしまうものだ。

くちびるに歌を持て!

五島列島の素晴らしい風景とともに、爽やかな風があなたに吹くことだろう。
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