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トリハダ 劇場版2の消費者のレビュー・感想・評価

トリハダ 劇場版2(2014年製作の映画)
3.7
・ジャンル
ホラー/オムニバス

・あらすじ
OLの山内しおりの元に頻繁に届く見知らぬ女性“三浦玲子”へ向けたラブレター
単なる間違いと思い彼女はしばらく気に留めていなかったが手紙の内容は徐々に不気味さを増していく
やがて「今日会いに行く」という内容の手紙が届いた時、三浦玲子は未解決のストーカー殺人の犠牲者であると判明
更に今度は手紙が自分宛の物となり脅威がしおりに迫っていく…
本作は彼女の様に奇妙な出来事に遭遇した人々を描いた短編ドラマ集である

・感想
心霊、オカルト、ジャンプスケアを排除したスタイルで人気を博したホラードラマシリーズ「トリハダ」の劇場版2作目にしてシリーズ全体のラストを飾る一作
今作ではシリーズを通してサイドストーリーの主役を務めてきた谷村美月に代わりプロローグの主人公をドラマ版でも出演歴のある石橋杏奈が演じている
Wikipediaには情報が未記載だったが今作も過去作同様にオムニバス形式
エピソードの一覧はこちら↓
プロローグ
第一話「所有の不確かさが招く悪夢の結末」
第二話「思いつきの遊戯と不条理な愛着」
第三話「執着の真意と末路の現実」
第四話「憎悪の応酬と紙一重の勝利者」
第五話「負け組の嫉妬と共通の思惑」
第六話「軽微な出来心に忍び寄る悪意」

ドラマシリーズ、姉妹番組2作、劇場版2作と観てきてラストを飾る今作が締め括りに相応しい強烈さを味わせてくれるかと期待して観たものの厭さ加減や恐怖はそのまま横這いという感じ
加えて初っ端から現実味のないエピソードで幕を開けるのが若干モヤモヤ
ただそれ以降は人間の業が良い感じに詰まっていて前作に続き人気キャラである赤い服の女が再登場するなどそれなりに楽しめる
前作でも少し感じたけどオリジナルのドラマシリーズよりも“後味の悪いサスペンス”を謳った姉妹番組「ドクロゲキ」と近しい部分があり胸糞という点ではなかなか悪くない

個人的に好きだったエピソードは
プロローグ〜第六話、第二話、第四話の3つ
プロローグ〜第六話は「トリハダ」らしいサイコホラー
第二話も話の内容はともかく犯人の佇まいが良い感じに気持ち悪い
そして第四話は目新しい程ではないにせよ人間の厭な部分が感じられてそこそこ良い

肝心の赤い服の女が登場する第三話に関しては過去作のエピソード2つと流れはそう変わらないものの出会いのきっかけが明かされないしお得意の力技も極端に小さな女性が出来るとは思えないレベルになっていてやり過ぎな印象
それでも終盤、男を覗き込む顔は能面の様な不気味さが炸裂していてインパクト大
とはいえやっぱりドラマ版の初出時が一番リアルで気持ち悪くて個人的にはベストかなぁ

ドラマシリーズを経ての劇場版なので元来の世界観や演出を踏襲するのは良いんだけどもう少し手を替え品を替えゾワッとさせてくれると嬉しかったかなぁというのが総合的な感想
決してつまらなくはないんだけどもう一押し欲しいというか…
いっそシリーズならではの不気味な人物が軸のエピソードだけで構成していた方が良かったかも
第六話ラストの犯人の姿も良い感じだったし

何はともあれこれで完走
ホラー映画は散々観てきたけどドラマはあまり観てこなかったので今後掘っていくきっかけとしては十分な出来ではあった(前作と今作は劇場版だけど)
やっぱりJホラーのジメッとした空気感って大好き
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