KenzOasis

沈黙ーサイレンスーのKenzOasisのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.5
「形だけで良いのだ」

劇場で観られなかった作品。大作も大作。そして名作。しかし大問題作。
奇しくも先日観たPKでも神様の沈黙について触れていましたが、いやはや、こちらは一段とすっごいですね。熱量が。
原作に出会ってから28年、映画化を熱望していたというスコセッシ監督。それにふさわしい濃密な2時間40分です。そして監督の熱量に応える形で、キャストたちもみんな燃えるような圧巻の演技でした。

信仰とは。神様とは。簡単には答えをまとめられない作品ですが、"考えない"ということは絶対にできない。非常に難しい映画です…

何がどう危険で、なぜそこまでの弾圧が為されるのか、その理由はどこにも出てこず、沈黙。
そして身を裂くような弾圧の苦しみが続く中、何度も拝み祈られる神は当然、沈黙している。死後は"パライソ"に行けると信じているから祈り、洗礼とやらを受け、罪を告白するけど、踏み絵を前に沈黙する。代理人である神父たちすらも。

でもその心の内は誰にもわからない。

信仰と沈黙がイコールで繋がっているというか、信仰に対して信者も神も沈黙しかできなくなっているという構図が印象に残っています。
信仰とは心と同じ、ということなのか…んーーー、わからない。笑

「日本は沼地だ。沼では全ての根は枯れてしまう」というセリフも印象的でした。

とにかくすごい作品です(月並み以下)。
KenzOasis

KenzOasis