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マダム・マロリーと魔法のスパイスのKHのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

なぜか料理を扱う作品に弱い。それも含めて4.0とした。
インド出身男性料理人・ハッサンとフレンチの副シェフ・マルグリットの関係性の描き方が、単純ではなくて良かった。マルグリットが当初ハッサンに親切だったのは、いくらハッサンが「今まで出逢ったなかで一番のシェフ」だとしても、決して自分の領域を侵すことはないだろうという、フランス人フレンチ副シェフとしての傲りがあったからではないか。ところがハッサンがフレンチの、しかも自分の職場に来ることになり、動揺する。放火したシェフの差別意識よりわかりにくいものの十分に根深く、だからこそ個々人が向き合うべきものがあることを、きちんと描いていると思った。
わかりやすい成功&帰還ストーリーを支えているのは、上記のような人間関係の描写と、食材や料理を含めて素晴らしい色彩の演出だと感じた。
しかしオーナー同士が信頼関係を超えて恋愛関係になってしまうのは、正直蛇足だと思った(ストーリーに不要な恋愛は持ち込むなという主義なので)。
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