楽園に殺人は存在しない、殺人は資本主義の病だというスターリン政権の思想の下、連続少年殺害事件が事故で片付けられる恐ろしさ。
陰鬱なムードながら闇が浅くて物足りない。
英語に違和感あるのはアメリカ製だから仕方ないけど、キャスト陣は好みだった。
粗野で一途なソ連国家保安省の将校トム・ハーディはハマってて素敵だし、ノオミ・ラパスが単なる妻役ではなくバディ的存在なのが良い。
ゲイリー・オールドマンやジョエル・キナマンなど豪華な顔触れの中、特捜部Qシリーズのファレス・ファレスとニコライ・リー・カースに会えて嬉しかった。
「殺人鬼の存在証明」と同じ旧ソ連の連続殺人鬼アンドレイ・チカチーロがモチーフなので観たけど、あくまで捜査が反体制派と見做され粛清される不条理さや真相を求めることの危険がメイン。
冒頭で1933年のホロドモールというウクライナの飢饉が描かれ、現在も続くロシアのウクライナ軍事侵攻を思う。