かなき

チャイルド44 森に消えた子供たちのかなきのレビュー・感想・評価

3.2
【真実は、歪められる。犯罪も、愛さえも。】

『殺人は資本主義の弊害。この国では存在しない。』

“胃が切除された子供の死体が線路脇で見つかる連続殺人事件”を解決するというミステリー要素に期待をして観たが、今作ではあまりその点に関して重点は置かれていない。
あくまで、この時代のソ連では殺人事件は歪められ、昨日の味方が明日の敵になる、といった時代背景を伝えるための作品だったように思う。

どれだけ真実を追うことが困難な時代だったのか、についてはよく分かる。
もちろん連続殺人事件の犯人も出てくるのだが、ミステリー要素がないため拍子抜けする登場の仕方。
原作のネタバレを見て初めて犯人がどんな人物だったのか気付くくらいに呆気ない。
そこが少し残念。
かなき

かなき